熟年離婚とは?
一般的に「婚姻期間20年以上」「50歳以上」離婚のことを言います
熟年離婚は通称で、法的に定義されているものではありませんが、一般的には「婚姻期間20年以上の夫婦」「50歳以上の夫婦」の離婚のことを言います。近年、熟年離婚に踏み切る夫婦は増えていて、その原因は「子育てが終わったので、自分のために人生を生きたくなった」「パートナーに対する長年の不満」「舅・姑関係」など様々です。
財産分与で揉めるケースが多いです
どのような理由で熟年離婚をお考えであれ、婚姻関係が長くてそれなりの財産を築いているケースが多いため、財産分与で揉めるケースが多いと言えます。また年金や退職金をどのような割合で分けるかも、揉め事の大きな原因となります。スムーズに離婚して、新しい人生を歩み始めるためにも、熟年離婚をお考えの方は一度弁護士に相談されることをおすすめします。
熟年離婚のポイントは?
「離婚後の生活」のことをきちんと考えておきましょう
50歳以上の夫婦が離婚する時、きちんと押さえておかなければいけないのが「離婚後の生活」のことです。特に専業主婦の方は、「夫から解放されて新しい人生に踏み出せる」というメリットがある一方で、安定的な収入を得るための仕事がなく、また年齢的にそうした仕事先を見つけるのは難しいため、離婚前によく考えておく必要があるでしょう。
ただ、現在では年金分割制度があり、夫が厚生年金に加入していれば婚姻期間に対応する部分の1/2を受け取ることが可能です。こうした財産分与に関わることをきちんと押さえておけば、安心して離婚に踏み切れるようになります。財産分与に関して色々わからないことがあるかと思いますので、事前に弁護士にご相談されることをおすすめします。
退職金を分与してもらえるかどうかも確認しておきましょう
熟年離婚の場合、あと数年で夫が退職することが決まっていて、退職金の金額もわかっているというケースがあります。このような場合には退職金も財産分与の対象とすることが可能です。財産分与での退職金の扱いは複雑ですので、ご自身で対応するのではなく、専門家である弁護士の力を借りることをおすすめします。
ここがポイント!弁護士からのアドバイス
熟年離婚する時には財産を把握しておきましょう
熟年離婚の場合、これまでの婚姻期間で形成した財産の量・種類が多いため、特に夫側がそれをよく把握していないことが多いです。こうした状況で別居してしまうと、財産を調査することが難しくなりますので、行動に移す前に財産の内容を把握しておくようにしましょう。
夫婦の話し合いで解決するのは難しい場合が多いです
ご夫婦によっても異なりますが、熟年離婚では不貞行為などのはっきりした理由で離婚に踏み切るケースは少ないと感じています。相対的に「長年の結婚生活で蓄積された不満」が離婚の原因となることが多いと言えます。そのため、若い世代の夫婦よりも感情的になってしまい、ご夫婦の話し合いによる解決が困難なことも。さらに当事者だけでなく、まわりのご親族が関わってくることもあります。
こうした状況の中、離婚問題を前に進めるためには、弁護士による「第三者目線」でのアドバイス・サポートが有効です。弁護士に介入してもらうことで、冷静かつ合理的に話を前に進めることが可能となります。